グリベック再挑戦

グリベックとの出会いの続きの話です。

入院中の蕁麻疹治療はこんな感じだった。
飲み薬:グリベックの服用はなし、喘息系の薬の服用は続ける。
塗り薬:蕁麻疹用の塗り薬(非ステロイド)
滴:主にステロイド(中程度)
蕁麻疹はステロイドであっさり治まり、ついでに喘息の咳もステロイド君が抑えてくれたので、退院間際の頃になるとかなり体調はよく、咳が出ないってなんて幸せなんだろうと良く思った。
入院中についでにアレルギーのテストも行ってくれたが、皮膚科の研修医君と、アレルギーレベル対決したら、負けてしまった(^^;) なにやってるんだか。

かなり楽しい入院生活だったが、当然のことながら、いつまでも入院しているわけにはいかない。
ステロイド剤の投与方法を点滴から飲み薬に切り替えても蕁麻疹が出なくなったと判断された時点で退院となり、また日常に戻る。
とは言うものの、会社に行くのはさすがにドクターストップがかかってしまい、替わりにほぼ毎日のように順天堂浦安病院に通うことになった。
もう一度、グリベックに挑戦すべく、体調を整え、環境も万全に整えるために。

ただ、再挑戦にあたっては、私の身内から多少反発があった。
実父の勤め先の小児科の先生(私の主治医)とその旦那様(外科医)から、一度薬疹が出た薬を再度挑戦するということはどういうことか?とのクレームが来たのだ。
幸い、N先生は出せる資料は何でも出してくださるし、カルテにある情報も気軽にコピーしてくださる(^^;)気さくな先生だったことと、身内側の先生方の知り合いに血液疾患の権威レベルの方がいらっしゃっていろいろと情報提供をしてくださったことで、この件は収められることができた。
今では身内側の先生方は「新しい勉強ができて嬉しい」と仰ってられるぐらいで、とてもよく理解してくださいっている。
ありがたいことだ。

後で聞いたことだが、順天堂浦安病院の皮膚科の方からも再挑戦とは何事だ!というようなクレームが来たらしいが、そこは内部の話し合いだけで決着し、納得してもらったらしい。(^^;)

再挑戦時には、前回4錠いきなり服用し始めたのが良くなかったのかもしれない、とのことで、1錠から始めることとした。
蕁麻疹に備え、弱めのステロイド錠も服用しながらのグリベック投与で、2〜3週間様子をみて、徐々に1錠ずつ増やしていこうとの計画だった。

1週目、血中のカリウムの値が下がり始めた。ここで、カリウム剤の投与をはじめる。だるさが出始める。
カリウムが少なくなると、主に夏ばて症状が出る。ひどいときには(偽)バーター症候群などという病気になって死んでしまうこともあるそう。
4週目、特に変わった様子がないので、グリベックを2錠に追加。ついでにカリウムももう1錠追加
8週目、グリベックを3錠に追加。
10週目、肝臓系の数値が上昇しはじめる。英語の文献をN先生と膝を突き合わせて調べてとりあえず様子見をすることに
先生と一緒に学術論文を読むという珍しい図…かもしれない
11週目、肝臓系の数値はまだ微妙に上昇グリベックを辞めろと言う数値には達していないので、もう少し様子見。
ちなみにGPTやATPという値が正常値の5倍程度になった時、グリベックを打ち切れと英語の論文に書いてあった
12週目、肝臓系の数値の上昇は正常値の2倍強で頭打ちをしたらしいが、様子見。
13週目、肝臓系の数値が微妙に下がり始める。様子見。
14週目、肝臓系の数値が下がり始めているので、まだ標準値ではないが、グリベックを4錠に。
15週目、肝臓系の数値が停滞。様子見。
16週目、ステロイド剤を辞めてみる
17週目、肝臓系の数値は徐々に下降傾向に

その後は肝臓系の数値は徐々に正常値内に落ち着き、カリウムも低値ではあるものの心配するほどではないとのことで、現在にいたる。

ただ、だるさだけはどうしても取れない。
カリウムの少なさや血小板の少なさ等の問題ではなさそうだとのN先生の意見があったが、私の身内がわの先生方の意見も同じだった。
1日4〜5時間程度なら何とか働けるぐらいまで、体力は何とか回復してはいたものの、それ以上はどうしても無理で、寝てばかりいた。
そのため、長期にわたり、会社を休みつづけることとなってしまったのだった。