人事からインタビューを受ける 〜子育てと就業とのハザマ〜

過日、CAMUSの勤める会社の人事から、メールにてインタビューを受けていた。
国の少子化政策「エンゼルプラン」の第3弾目の企業努力にかかわる話のようで、

出産・育児をする上で、会社にはどういう体制であってほしいか

という内容のインタビューだ。

インタビューの具体的な内容は、
 ・育児休暇を取るとしたら、どれぐらいの期間が望ましいか
 ・管理職が育児休暇を取ることについてはどうか
 ・育児休暇中に不安に思っていたことは何か

のような育児休暇に関する内容と、
 ・仕事と育児の両立のために障害となることは何か
 ・両立をスムーズにするため、あったほうが良い制度は何か
 ・在宅勤務は可能か

のような勤務と育児の兼ね合いに関する内容である。

このインタビューに適当に思いの丈をぶちまけてお返事したところ、人事からお礼のお返事が来た。

この人事の方も、実は保育園にお子さんを預けてらっしゃるらしいのだが…そのお返事中に、とてもとても子供を保育園に預けているにしては世間知らずと思える内容が書いてあった。

保育園はどこも生後8週間から預かってくれるものだと思っていました

へっ?!
………………………………………えっと………………………………………。
…………まぁ、そういう自治体なんだろう………ということ………なのか?!

!!いや、そりゃチャウでしょう!

実際のところ、生後8週目の子供を預かってくれる保育園を含む施設と言うのはかなり少なく、また、預かってくれるとしても枠が非常に少なかったりするのが、現状である。

 0歳児を扱うとはデリケートなこと。
 親もヒジョーにデリケートなゆえ、預かる側もおのずと少ない。
 預かってくれても、デリケートゆえ、手がかかる。
 手がかかるとは、即ち、人手が必要ということ。
 人手はあるのか?イヤ全然足らぬ。

0歳児3人に対して、保育士1人が付かなくてはならない…というように、子供の4月1日時点での年齢に対して、保育士が何人付くかが決められているそうだ。

1歳を超えれば、少しは枠は増えるものの、相変わらず枠はまだ狭い。
どこで枠が増えるのか、というと、3歳ぐらいからのところが多い。
保育士一人あたりが面倒を見切れる子供の数と言うのが、3歳を境目にぐんと増えるのである。
世の中には、乳児専門の保育施設などもあるが、とても足りているとはいえない状況である。

事実、CAMUSの住まう自治体でも、公立の保育園は生後6ヶ月以上の子供しか預かってくれないし、また、6ヶ月を超えていたとしても募集枠は少ない
6ヶ月未満の子供を預かってもらおうと思うと、認可されていない私立の保育園(やそれに準じた施設)か、シッターを雇わなくてはならない。
その認可されていいない保育園などや、シッターなども即OKかというと、そうではなく、これもまた受け入れてくれる数は少なく、受け入れてくれても狭き門なのである。

CAMUSは子供が保育園に入園できるためには条件が少々悪かったので、アンテナを高くして情報をいろいろ仕入れておく必要があった。
CAMUSの住まう地域は保育園激戦区で、待機児童が同じ自治体の中でも多い地域である。
おまけに保育園の募集枠が一番多い4月の入園時には、娘は10月生まれで4月時点で6ヶ月に満たないため、公立の保育園にはまず入園できない。
でも、できれば公立の保育園に入れたかった(設備が整っていて体制もよい)ので、9月か10月にもしかしたらまた枠ができる可能性があるらしいという話を聞いてそれに賭け、10月復帰を目指した。
そんな状況なので、最悪の事態を考えて、通えそうな範囲の施設類は全部調べていたのだ。
ここで悪運の強いCAMUSは、運良く、公立の同じ自治体で一番近い保育園に入園することが叶い、今に至る訳である。

とまぁ、私のことは置いといて…。

一応、国の法律…労基法65条では、産後8週後から働いていいことになっている。
本人が復帰したいと望み、医師の口添えがあれば、産後6週から働くこともできる。
しかし、産後6週までの状態で働くことは、法律違反になる。

産後8週後、すぐに復帰しないのであれば、育児介護休業法2条・6条が適応され、国としては子供が1歳になる月まで育児休暇を取得していいことになっている。(来年度あたりからちょいと改定される模様)

これらは国の法律であって、これとは別に企業人には就業規則が適用されるので、会社の就業規則にのっとって、産後・育児休暇を取得することが可能である。
だから、会社によっては…特に外資系などは、3年まで育児休暇を取ったりするところもあったりするが、まだまだ少ないようである。

ここまで書いたことで気が付かれた方はいるだろうか?
大人の都合に合わせ、子供を保育園などの施設に預けようとすると、非常に狭き門をくぐらなければならないのが現実なのだということに。
だが、その大人側の体制と子供側の体制のギャップを、一体どれだけの人が気がついているのだろうか、と、人事からのメールで改めて気がつかされた。
大丈夫か、うちの人事。(^^;)

子供の預け先を決めるのに、保育課などの行政からの情報を頼り、ファミリーサポートなどの市民団体を頼り、決して表には出ない口コミを頼りし、自分からアクションを起こして奮闘しなければならない親たち。
会社から復帰までの期限が決められている中での奮闘は、焦りをうむ。
期限内に希望の施設に預けられなかった場合は、とりあえずの預け先を決め、とりあえず復帰するしかなくなる。
そして後日、希望の施設に預けられる権利を得たとしても、子供がその施設に変わる事に対してどうだろうかと、また悩み…。

…今日も、そんな狭き門をめぐっての親たちの苦悩は終わらない…。

…そして、この記事も綺麗にまとまらなくて落ち込むおばちゃんが一人…。orz