両親からの初めての贈り物

私への両親からの初めての贈り物は、名前でした。

私の場合、誕生予定日が京都ならではのおめでたい日と重なっていたため、その日に因んだ名前がつけられる予定になっていました。
実際は、3日ほどずれてしまった…しかもへたすりゃ4日ずれることになるような時間に産まれてしまいましたが、祖父がこの名前がかわいいからこのままいこうと決め、役所に届けたのだそうです。

名前が絡んだエピソードは、幼い頃についてはろくなものがありません。(^^;)
父親が私の頭をつかんでは「この紋所が目に入らぬかー」なんていって遊ぶし、色の名前っぽく見えるので変なあだ名をたくさんつけられたりしたので、どうしてこんな変な名前なんだろう、と小さい頃はいやな思いをしたものでした。
ついでに言うと、苗字も変わっているので、そちらのほうでも変なあだ名をつけられて、相乗効果でいやな思いをしていたものです。

そういうわけで、私は幼い頃、自分の名前が嫌いでした。

そんな私の名前なのですが、幼稚園までひらがなの名前で過ごし、小学生に上がるころ、漢字の名前に変わるというちょっとした変化がありました。
小学生ですので、「ちょっとお姉さんになったから漢字を使うことにしたのだろう」程度の理由付けを自分の中でしていました。

ところが!
実際はそうではなかったのです。

私が産まれた当時、その名前の漢字を名前として役所に登録ができなかったのだそうです。
常用漢字でも、人名用漢字でもなかったとのこと。
仕方なく、ひらがなで私の名前を申請したのだそうです。

その後、私が幼稚園の年長組になった頃、親が苦労して裁判で私の名前を漢字に改名をしてくれたのだそうです。
改名のための裁判では、改名の基準として「通常からその名前を使っているのか」ということがポイントになることがあるのだそうです。
そして、その証拠をもってこいと裁判所は言うのだそうです。
当時、母はおばからの手紙に私の名前が漢字で書かれていることを思い出し、裁判所にその手紙を証拠として提出したところ、改名の許可が出たのだそうです。

その話を聞いてから、私は自分の名前に対しての認識が変わりました。
両親からの初めての贈り物は大切にしよう
そう思いました。

私が生まれた当時は、私の名前は非常に珍しいものでした。
しかし、今ではこの漢字が命名で使われる漢字のトップ10に入ってくる率の高いものになっているそうですね。
時代は変わるものです。

今では、自分の名前が大好きです。
この名前をつけてくれた両親に感謝しています。

さて、問題です。
私の名前はなんでしょう。ってばればれですがな。(笑)