燦然と輝く人

ある、よく晴れた日のことでした。
急に辞令が降りて、チーム長に任命されたFさんは、前チーム長の引継ぎと自分の仕事との間でそれはれは忙しく働いておられました

そういうときに限って電話が多かったりして、椅子に座る間もなく、立ったまま対応するFさん。
あれやこれやと部下に指示して回るために、わざわざ部下のところまでばたばたと回っているFさん。
人事に呼ばれてばたばたと部屋を往復するFさん。

そこに部長の声が。

「おい、F」

あんまりにも慌てて仕事をしておられるので、部長が落ち着かせようと考えた模様です。
Fさんも、慌てて部長のもとにはせ参じます。
そして部長が一言。

「おまえ、まぶしい」

Fさんが額に手を当てました。
Fさんは以前から若ハゲ入っていて、かなり額が広くていらっしゃいました。
その額が、あまりに慌てているが為、汗をかきかき仕事をしてられたので、額がきらきらしており、また、外の天気がよいが為、その日の光を反射して、燦然と輝いていたわけです。

「…じゃなくて、急がしのわかるけどな、もうちょっと落ち着け」

部長はそれだけ仰って、Fさんをまた仕事に戻しました。

しかし、部長席周りの人間は部長の一言で仕事どころじゃなくなってしまいましたとさ。(^^;)