妊娠〜育児中のあれこれ −働くおばちゃんSEバージョン− その2 産前産後休暇&育児休業

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Tech総研の記事によると女性SEが育児関係で悩んでるとのこと。
つーわけで、妊娠→出産→育児休業→復帰の道を歩んでいる現役女性SEとして、体験談とか書いてみようというわけです。

 ・妊娠時期
 ・産前産後休暇&育児休業
 ・復職後
 ・オマケ

の、今回は、産前産後休暇&育児休業部分についてです。

男性の皆さんわかってよ!女性SEの仕事へのキモチ/Tech総研

ところが現実を見てみると「産休=退職」というイメージの会社がまだまだ多かったり、「産休・育休制度は存在しているが実際に使用している人を見かけない」ということも。「子育てと両立は無理だと思う」というシビアな回答もあった。現在、皆さんの周りにも産休を取っている女性エンジニアは存在するのだろうか?

■産前産後休暇&育児休業をとった人がまわりにいないと嘆く必要ある?
これを取得したあと復帰したという方が周りにいないと嘆いておられる方がいらっしゃるそうな。
何故嘆くのでしょうか…?
取得できるなら、周りにいるかどうかなんか関係なく、とっちまえばいいじゃないですか、と思うのだけど…。(^^;)

ついでに言うと、SEとかPGとかって女性率が少ない…即ち、絶対数が少ないじゃないですか。
2割も女性率がいると多いほうじゃないでしょうかねぇ?
そんな絶対数が少ない状況で、育児休業後、復帰してらっしゃる方が、どこにもいらっしゃるという状況のほうが不自然でしょう…って思うんですよね。

まぁ、先駆者がいらっしゃるほうが心強いってことがあるのは理解しているつもりです。
ただ、先駆者がいないから、自分も出来ないという理由にはなりませんよね?
ただでさえ、女性率の少ない職業だというコトは理解のうえでこの業界に入っていらっしゃるわけですから、出産というイベントだけでなく、さまざまな事例が少ないのも当たり前なんですよ。

そこんとこ、よろしく♪

私の周りにも産前産後休暇や育児休業をとっている人はいませんでした。
ただ、お子さんがいらっしゃる方は、男性を含め、たくさんおられましたし、子供がいたらいかんという環境ではなかろうと勝手に判断していました。
そんな自分のなかだけの根拠で自信たっぷりに、メールで上司にポーンと普通の業務メールと同じ感覚で「妊娠しました」報告しました。
そして、普通に「育児休業とりますね」と宣言して、上司に仕事を調整してもらい、終わらせられる部分はすべて終わらして、顧客にはいつからいつまでいないのでと連絡をして後輩に引継ぎをして、有休を使って産前休暇を長めにとってとっとと休みに入ってしまいました。
ちなみに、上司も育児休業を取得すると言い出した部下を持ったのは、私が初めてだったそうですよ。

そんなかるーい感じでとっちゃいました。

ただ、私の所属する会社の就業規則により、業績評価査定時期に休業していると、評価は最低ランクになっちまうのです。
これはちょっとショックだったなぁ。産前休暇前は、かなり頑張っていたので…。
まぁ、傷病による休職とか介護休業も同じ最低ランク評価になってしまうので(これも私の所属する会社の話です)、育児休業だけを何とかするだけでよいわけじゃあないので、なんとも難しいところです…。

それでも、妊娠&出産は、命のやり取りそのものです。
業務の評価など命のやり取りと比べたら、大したことないと思いませんか?

復帰のためのまとめを以下に書いてみます。

■復職に向けて出産までにやっておいたほうがいいこと
 1) 一人の時間を大切にする
  ほんっとに一人の時間が大切なんだなーと、産後はしみじみ思います。
  ゆっくりする時間はこれが最後ですので、今のうちに考えられることは前倒しで考えておきましょう。
 2) 子供の預け先のピックアップ
  先に脅します。(^^;)
  預け先は出産後考えればいいや〜では間に合わないことがあります。
  子供の預け先候補をピックアップし、その申し込み方法まで下調べしておきましょう。
  例えば、公立の保育園であれば、その自治体の保育科などが申し込み先で、入園時期がいつごろであればこのときまでに申し込みしておかないと間に合わないとか、入園時期は常時ではないとか、いろいろ調べておかないといけないことがあるんです。
  また、子供が病気になったときはどうしたらいいかとかも調べておくといいです。
 3) お金をためる
  出産費用がかかるから…っていうのもありますが、産前産後休暇中は健康保険・厚生年金などの免除がないので、その分のお金をためておきましょう。
  育児休業中は健康保険・厚生年金などの免除がありますから、そこまでは心配なしでOKです。

■産後休暇中〜育児休業
 1) まずは体調回復が最優先
  医療が発達したとはいえ、出産が母子ともに命の危険にさらされるコトだということは変わりません。
  お子さんが無事に生まれるのはとてもありがたいことです。
  御自身のからだも何か異常が出る可能性も考えておき、無事であれば、そういう体に育ててくれたいろんな人に感謝しましょう。(^^)
  ただ、会社に報告するコトはくれぐれも忘れずに!社保の場合は会社が手続きをいろいろとしてくれるはずですから、お願いしちゃいましょう。
  さて、母子ともに無事であっても、妊娠前の状態の体調に戻るには、かなりの時間を要します。
  産後休暇の8週間(もしくは6週間・多胎児は14週)は、「体調復帰までの最短の期間」という認識でいたほうがよいと思います。
  産後休暇しかとらないつもりでも、絶対無理をせず、体調回復に努めてください。
  特に、母乳を子供に与えられる予定の方は、母乳を与えることで自分の体力が減るということも念頭において、余裕を持って復帰に望むことをオススメします。
  復帰のための大前提は「体調が万全であること」です。
 2) 復帰の時期から逆算して子供の預け先を確保
  お子さんを預かってくれる方がいらっしゃる場合、その環境にお子さんが慣れるまでしばらく時間がかかります。
  また、預ける環境によっては、復帰してからでないと預かってくれない場所もあったりします。
  そして、先にも書いたよう、預け先によっては、申し込み時期が指定されている場合があります。
  それらのいろんな要素を考慮して、余裕を持って預け先をきめましょう。
 3) 復帰後のタイムスケジュールで生活してみる
  出産後、ご自信の体調を見ながら、お子さんのおなかすいたー攻撃を何とかこなす生活を続けていると、とてもじゃないけど、出産前と同じようなタイムスケジュールで動くのが難しくなっていると思います。
  復帰してからのタイムスケジュールに合わせるのも、すぐには無理だと思いますので、最低1ヶ月ぐらいかけて合わせていくといいかと思います。
  ご自身もそうですが、お子さんも復職後のタイムスケジュールにあうよう、また、どうすれば復職後がスムーズにいくかも様子を見て、試行錯誤してみてくださいね。
 4) 復帰後、どうしたいかを職場と相談
  懸念点は復帰してから相談するのではなく、復帰前から相談しておくといいです。
  例えば、子供の体調によっては休む可能性があるのであれば、それを復職前に相談しておくことで、いい解決策があるかもしれません。
  場合によっては、業務体系を変える必要があるかもしれませんし、職場が何かよい調整案を出してくれるかもしれません。
  とにかく、復職できる方向でよく話し合いましょう…。

■可能であればあったほうがよいもの
 1) 自社のLANに入れる環境
  セキュリティ上無理であれば仕方がないですが、勤め先のLANに接続できる環境があると、復職がスムーズに行く可能性が高いです。
  例えば、休業中に所属チームが変わらなくても、方針が変わることもあります。
  復帰してからそういう情報を追いかけるには、かなりジェネレーションギャップを感じ、復職のためのリハビリも思うように進まないこともありますので、業務メールなどから、そういう情報をキャッチアップできているといいかと思います。
  また、職場の仲間が今どんな仕事をしているのかで、休業中に学習しておけるものをきめておくこともできます。(ちなみに私はXMLの勉強をし、復職後いきなりXML使って仕事しました)
  何かあったとき、社内LANが見えていると上司や人事にも連絡しやすいですしね。
  また、社内LANにつなげるセキュアな環境がない場合、「自力で作らせてくれ」と上司に懇願するのもスキルアップにつながりますし、育児休暇かかわらず、出向している方とかにも便利なはずなので、チャレンジするのもよいかと思います。
 2) 自分をケアする場所(子供連れで)
  何かと、子供のケアで大変だと思いますが、自分自身のケアも忘れずに…。
  例えば、子供連れでも通える歯医者だとか病院、美容室など、近くにあるようであれば探しておきましょう。
  お子さんを預かってくださる方がいればよいのですが、そういつでも…というわけにはいかないこともあると思います。

◆リンク
 産前産後休暇(産休)と出産手当金の基礎知識
 産前・産後休暇期間 育児休業開始日 早見表
 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律等の一部を改正する法律(平成17年4月1日施行)及び法改正に伴う施行規則、指針について
 育児休業 - Wikipedia