システムエンジニアはコンピュータのプロである必要はない

とあるコミュニティで、「システムエンジニアはコンピュータのプロフェッショナル」みたいなことを書いている人がいた。

 私は違うと思うんだな。

例えば、画家がいたとする。
画家は、キャンバスに目の前にある風景の絵を描きたいとする。
そこで、油絵の具と絵筆とパレットなどなどを、用意をするとする。

画家がするべきことは、目の前にある風景を、どうやってキャンバスに描いていくか、であり、これが仕事なのである。
油絵の具についての専門的な知識は、どの色がどんなふうに伸び、どの色がどんなふうに発色するのか、どの色がどの色と混ざったらどんな色になるのか、重ねたらどうなるのか、そういう知識が必要であって、自分の好みに合わせてメーカーにこだわることはあっても、すべての油絵の具に関しての知識を持ち合わせる必要はなく、しかも、作れなくてよい。
同じく、絵筆についての専門的な知識は、自分の手になじむか、キャンバスに絵の具を乗せたとき、自分の思い通りの具合で色をおいてくれるかなど、絵を描くときに必要な知識があればそれでよいわけである。

画家にとって、油絵の具や絵筆などは、道具の一つであって、その道具のプロである必要はないわけである。

システムエンジニアは、ある要求をシステマチック、かつ、具体的に解決するにはどうしたらよいかを考える、それが仕事である。

ある要求というのは、例えば、お客さんの「商品の売り上げや在庫の管理がしやすい工夫」であったり、世の中の動向をリサーチして「○○がしたいという要望があるが、それを実現するシステムがない」という結論から得たものだったり、いろいろだ。
例えば、お客さんの「商品の売り上げや在庫の管理がしやすい工夫」をするには、コンピュータを使った管理システムを作ればよい、という道のひとつを見つけたとき、初めてコンピュータに対してのそれなりの知識が必要となる。
システムエンジニアは、お客さんとコンピュータを含めた、仕事のフローを作り、それでお客さんが仕事がしやすくなるかを確認しながら、仕事のどの部分をコンピュータにやらせるかを考えるのである。
別に、すべての仕事をコンピュータにやらせなくてもよいわけであり、コンピュータにも適材適所というのがあるので、システムエンジニアはこの時点では、コンピュータがどんな仕事に対してなら力を発揮するのかということさえ知っていればよい
あとは、自分がコンピュータを使った作業をするだけの知識があればよい。
だって、ただの仕事の道具なわけだし。
Excelをメモ帳代わりにしたいのであれば、Excel操作の知識があればよいわけである。(^^;)

画家にとっての絵の具と同じく、システムエンジニアにとって、コンピュータは道具の一つであり、その道具のプロである必要はないのである。

その後、仕事のどの部分をコンピュータにやらせるかをきめて、あらすじを決めて、その道のプロたちに仕事を振る。
その道のプロというのは、ハードウェア設計者や、プログラマ・データベース管理者・ネットワーク管理者などであり、それぞれが、別の領域の担当を持っていてもよいし、場合によってはシステムエンジニアもそこの作業に加わる。
ここで、もうちょっとだけ専門的な知識を身につけていればよいぐらいで、コンピュータのすべてことに関してプロである必要はない。
それでも、多少はなんかのプログラミング言語ぐらいだったら操れる、ぐらいのレベルのコンピュータ系のスキルはあったほうがより多くの仕事ができるので、暇をもてあますことなく、仕事し続けられたりするのだけど。


そんなわけで、堂々と「私はコンピュータのプロではありません」とここに宣言しておくのである。(^^;)




…ただのヘタレですな。すんません。