妊娠〜育児中のあれこれ −働くおばちゃんSEバージョン− その4 復帰その2

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Tech総研の記事によると女性SEが育児関係で悩んでるとのこと。
男性の皆さんわかってよ!女性SEの仕事へのキモチ/Tech総研

ところが現実を見てみると「産休=退職」というイメージの会社がまだまだ多かったり、「産休・育休制度は存在しているが実際に使用している人を見かけない」ということも。「子育てと両立は無理だと思う」というシビアな回答もあった。現在、皆さんの周りにも産休を取っている女性エンジニアは存在するのだろうか?

つーわけで、妊娠→出産→育児休業→復帰の道を歩んでいる現役女性SEとして、体験談とか書いてみようというわけです。

 ・妊娠時期
 ・産前産後休暇&育児休業
 ・復職後
 ・オマケ

の、今回は、復帰について(後半)です。

■再復職
(傷病による)休職をしたのですが、その間のコトはすっ飛ばします。(^^;)
# 興味があればこちらの記事を時系列でどうぞ…。

何とか体調をごまかして、同じ部署で復帰しました。
以前とは状況が違い、同じ部署ではありましたが家の近くの事務所ではなく、妊娠していたときの事務所に通うことになりました。
部まるごとジプシーのようにあっちこっちの事業部にくっついたり放れたりするところに所属していたので、やるコトは同じでも立ち居地が違うということがよくあるんですよ…。

そんなわけで、ちょっと遠いところに通う羽目になりました。
病み上がり(というか治ってないけど)で、家事もしなくてはならないし子供の面倒を見なくてはならないうえに、子供は長時間預かってもらうため、私もですが子供にも負荷がかかる、そんなちょっと重い目の状況のスタートでした。

さらに、イヤな状況がまっていました。
第1声が「いいところに帰ってきてくれた」だったんですよ。
そんなこといわれたら嫌な予感しかしないじゃないですか。(^^;)

案の定、嫌な予感どおり、かなりきつい仕事で、定時に帰れない…どころか翌日に帰れない日もありました。(そのときは旦那に子供の面倒を見てもらったり、親に来てもらったりしていました)
前回に書いたとおりの、定時での退社が無理で、仕事量も明らかに多すぎていたため、加療中の身でありながら心身ともにかなりやられてしまいました。(白髪のお花がうわっと咲きました…)

そんな事情から、上司が取り計らってくれて、そのプロジェクト終了後は別のヘヴィではない部署へ配置換えとなりました。
自宅からも近い事務所での、自分で考えて提案しなくてはならないことが多い仕事だったのですが、定時で帰ることができるようになりましたし、提案なしであれば、それなりに低評価のままでいてくれる(仕事しなくても評価されてしまうと逆にやる気なくなります)ので、治療に専念させてもらいました。

こんな感じで、こちらは、低評価でかまわないので仕事を抑え目に短い時間でこなし、何とか生活できる時間を確保したかったわけですが、、企業というやつはそうはいかないのだなぁ…。(^^;)

移った部署が全社の標準化をねらったコスト的な部署だったんですが、移った当初はのんびりと部品作りをさせてもらっていました。(^^;)
ですが、そのうち社内からつらい風が吹いてくるようになり、こいつは何の仕事をしていてどんな成果を挙げているのか、というのを名指しで突き上げてくるようになってきたときがありました。
当時の私は心身ともにぼろぼろで(脳についてはこんな状況で当時は日本語の文章すらまともに読めませんでした)、その突き上げに耐えていけるだけの体力がなく、流石にここいらが年貢の納め時かと思いました。
運よく、後輩達の助けがあり、その場はしのげましたが、後輩達にはえらい迷惑をかけてしまいました…。orz

そのまま、この部署にいたら、多分、仕事はやめていたと思います。
「子供が小学校に行くのはいつか?」と尋ねられるような部署でした。
残業できないヒトはいらない、ということなんでしょうね。(^^;)

捨てる神あらば、拾う神あり。

今は、前にいた部署(育児休業・休職後に復帰したところ)からお呼びがかかり、ヘルプに行って、そのまま居ついています。(^^;)
やっぱり、顧客の近くで開発するのが私にとっては性にあっているらしいです。
事務所は遠くなりましたが、子供もだいぶ大きくなりましたので、多少長い保育時間でも耐えられる体になってくれているのが助かりました。
子供の体も丈夫になり、お迎えを要請されることもほとんどなくなり、定時時間内であれば安心して働けるようになりました。

…そう思うのもつかの間。
今度は、子供が保育園を卒園氏、小学校に上がることになります。
子供の1日のタイムスケジュールが保育園時代とガラッと変わります。
入学式前の休みの期間などの対策は、いわゆる「学童」の保育は確保は出来たのですが、保育園のときより、保育時間が短くなってしまいます。
しかも、行きは子供より先に親が出ないと始業時間に間に合わず、定時後迎えにいっても間に合うかどうかの微妙な時間…。
学校に給食がないうちは、弁当も作らなくてはならないのです。(これは結構ヘヴィ…)
他の預かり施設や、シッターサービスなども検討しましたが、どうもこちらのニーズに合わない…。

とりあえずは、会社の規定が変わって、子供が10歳になる年度までは短時間勤務や時差出勤が可能となりましたので、それを取得して何とかやりくりしようかと考えています。

…とはいえ、これも暫定的な方法でしかないんですよね…。
今住んでいる地域で学童が利用できるのは、子供が小学校4年生になるまでなので、小学4年生になったらまた別の手段を考えなくてはなりません。
出来れば、学童に通っている間に何とか別の方法を考えることが出来ればいいのですが…。

こんな感じで、まだまだ「子供の面倒を見ながら会社に勤める」ためには、いろいろ考えていかなくてはいけません。
育児休業後のことばかり考えているだけではすまないんです。もっともっと、長期的に考えなくてはいけないんです。
子供が小学校に上がったから、残業できる状況になるかというと、そうではありません。
特に首都圏などでは、あまりよろしくない事件が起こっているため、保護者も子供を守るため、いろいろと行動に出なくてはならず、その分、また負担として重なってきますので、正直言って、保育園に預けているほうが何ぼも楽です。

企業が働くママを支援 出産や育児中でも戦力にという記事がありました。
ココでは、長時間子供を預かれるための「キャンプ」という施設の紹介になっています。
女性を戦力に加えていただけるのは、大変ありがたいことです。
ただ、戦力として長時間必要であるという企業側の姿勢がこういうサービスを生み出しているのかな?と思うと、正直、考え込んでしまいます。

私自身としては、ワークシェアリングシステムのような、短時間勤務を可能とする仕組みを作ってほしいなと思っています。
面倒を見なくてはいけない時期のお子さんをお持ちの方だけでなく、介護を必要とする家族をお持ちの方、ご自身が闘病中だけど働かなくては治療代が出せない方、いろんな方が利用可能である仕組みを作っていただければ、もう少し楽に働けるのですが、今の企業側にはそういう制度に踏み切れるような土台がありません。
政府側は少子化対策だけでなく、働き手を確保するための方策として、短時間勤務者の確保が出来るよう、制度改革をお願いしたいと思います。

■復職後まとめ
 1) 生活中心にするか仕事を中心にするかきめておくこと
  どっちも!というのは、この業界では正直無理ではないかと思います。
  とはいえ、生活中心にするのも、この業界では難しいかもしれませんが、できないことはありません。
  生活中心にするのであれば、まず、残業をしないこと。
  養育する子供の年齢にも左右されますが、深夜残業・残業を免除申請することが可能ですので、まず業務規定をよく読んで、残業しないようにしてみましょう。
  また、これも養育する子供の年齢によりますが、時間短縮勤務やフレックスを申請できる場合もあるかもしれません。
  所属する部署でそういう申請をしても大丈夫かどうかの調整は必要になりますが、無理のない範囲で業務時間を抑えて、生活時間を作るよう、心がけましょう。
  仕事中心にするのであれば、仕事中心に出来るよう、子供を養育してもらえる環境を整えましょう。
  親御さんに預けておられる場合は、親御さんの負担にならないよう、別の手段を複数持っておくことをオススメします。
 2) 子供を預かってくれる人か家事をしてくれる人を他に探しておくこと
  これが、私は探せていません…。orz
  出歩かない(出歩ける状況じゃない)ため、人との交流がないというのがもっとも大きな理由でしたが、
  かといって、シッターサービスを受けるだけの心の体力がなく(どうしても気を遣ってしまってかえって休めない)、
  どうしてもきついときだけ、親に頼んでいるような気がします。
  親を呼ぶのも事情があって呼びづらいので、ほどんど一人で何とかこなす日々だったわけです。
  出来ることなら、育児休業中にでもいろんな人に助けてもらえるようなご近所ネットワークとか作っておくことをオススメします。
 3) 子供の預け先のことを考えなくてはいけないライフステージは育児休業後の復帰時だけじゃない
  幼児のうちはまだ預かってくれる場所・施設もわりと整っていることが多いのですが、小学校に入るとそういう恵まれた環境はガラッと変わります。
  学童という制度もありますが、入れるとは限りませんし、何より、預かってくれる時間が今までより少なくなる可能性があります。
  また、地域によっては、学童で預かってくれる年も限られている場合もあります。(ウチはよくて小学校3年まで…)
  子供の休みの期間(夏休みや冬休みなど)も出てきますし、正直、育児休暇後より、考えなくてはならないことがとても増えます。
 4) 評価はきっちりしてもらいましょう
  個人的にではありますが、低いほうでも高いほうでもいいのですが、本人も納得する形の評価がほしいと思っています。
  今までの経験値と状況から判断してきめた「自分の次のステージはココという目標」が達成できなかったときには、きっちりと「低評価」をつけてもらいたかったのですが、なんだか政治上の都合でそうしてもらえないことがありました。
  望んで短時間で働いています。その時間内で終われるような仕事をしているとは思っていません。おまけに、管理までして欲しいといわれたら出来ません。(開き直っているわけではないのですが、誰が考えても普通に「出来ません」って答えが返ってくるという状況だとお考えいただければ…)
  だったら、きっちり低評価にして欲しいのです…。
  短い時間で働いているからこそ、働くモチベーションを維持するために、評価はきっちりしてほしいんです。
  育児休業などで休業が必要になった場合、業務規定により「最低評価」が下されたのは、いただけないです。
  休業に入るからこそ、頑張って仕事を終えたのに…。これもモチベーションが激しく下がったなぁ…。
  こういう評価方法がなくなることを切に願っております。
 5) 体調管理を後回しにしないこと
  子供の面倒を見なくてはならないヒトが病気になってしまうとしゃれになりません。(涙)
  ついつい後回しにしがちですが、是非、ご自愛ください。

■オマケ
参考までに、「仕事と家庭の両立支援にかかわる調査」結果報告(PDF)という報告書がありました。
仕事と家庭の両立は「育児休業」だけではないので、別の調査報告もお願いしたいですね。

こちらも、参考までに。
女性ITプロフェッショナルのホンネ会議―男だらけの業界で生きる55のヒントという書籍があります。
行き詰っているとき、このタイトルに飛びついてしましましたが、正直、私の場合は参考になりませんでした。
だって、皆さん健康優良ですし、IT業界とはいえど、技術にのみ専念されておられる方がいらっしゃいませんもん。(笑)
持病がありつつ、SE/PGとして働いていて、そんな状況で何か参考になる書籍はないのかなー…。